「お気に入りの黒のポロシャツ服。気づいたら、いつも衿だけ色褪せている。」
「安い服だから仕方ない?」
私もそう思っていた。だが実際は少し違っている。必ずしも安い服だから色褪せるというわけではない。

実際に、私が西松屋で購入した子供用の紺色パジャマ(1,000円以下で購入)は、ヘビロテしているがポロシャツほど色褪せてはいない。この違いは何だろうか。
繊維の勉強をしていて、私は、ようやくそれについてわかってきた。
まず、「色褪せ」を検索してみると・・
この記事を書くにあたり、私は色褪せと検索し、検索予測に何が出てくるか調べてみた(2026年7月時点)が、面白いことがわかった。
なんと10個中6個、検索予測(みんなが検索しているキーワードの)の60%が色褪せた「後」に検索されていることがわかる。

「色褪せ」が起こるワケ
そもそも色褪せは、様々な理由で発生する。洗剤や、紫外線、汗、糸の構造、染料などなど、挙げればきりがない。
なので、この記事を読み進める際にあらかじめ注意したいのが、これから紹介すること以外にも、色褪せは発生する。
今回、この中でも、よく起こる現象と原因について考えてみたい。(ちなみに、繊維製品品質管理士試験でも「色褪せ」は頻出のテーマだ。)
1. 「紫外線」で色褪せる
繊維の勉強をしていると、紫外線ほど怖いものはない、と思わざるを得ない。
紫外線は肌だけではない。服にも容赦なく降り注ぐ。自分の肌はケアをするが、今後は服のケアも考えた方がいいかもしれない。
服は「染料」によって色がついている。
実は、染料は紫外線によって分子構造が変化することがある(染料によって程度は異なるが)。服の染料は「日光との戦い」と言い換えてもいいのでは、と私は個人的に思っているほどだ。
対策-①洗濯後は陰干し
CMではおなじみの光景がこれだ。

お日様の下でどんなに気持ちよさそうに真っ白なTシャツを干していても、黒や紺色など、色のついた服はそんなことをしてはいけない。(そういえば、CMではほとんどが白色の服やシーツだが、あれはそういうことも示唆しているのだろうか…。考えすぎ?)
とにもかくにも、直射日光にあてて干さない、ということを死守したい。
紫外線の力はとてつもなく強力で、そのエネルギーで色を変えてしまうということを覚えておいて損はない。
2. 「汗」で色褪せる
長時間、汗でぬれた状態で服を放置することは、色褪せも進行するが、そもそもの繊維も傷めてしまう原因になるので注意してほしい。
汗(や汚れ)の対策は、昔も今も一緒

昔も今も、人は汗をかくのは一緒である。
昔は今ほどたくさんの洋服や着物はもっておらず、その分汗や汚れがつかないような工夫を行っていた。
・スーツを汗や汚れから守るために着ていた「ワイシャツ」※1
・着物を汗や汚れから守るために着ていた「長襦袢」や「半衿」※2
(参考URLは記事の最後に掲載)
これらからわかるように、どんな時代であっても汗がなるべく衣類につかないよう、アイテムを使って対策をしていたことがわかる。
対策-②汗をかいたらすぐに洗う

すぐに洗うって、当たり前だと思ったかもしれない。よく聞く話である。
が、実際にやっているかと言われたら、どのくらいいるのだろう?かくいう私も、非常に面倒くさがりな性分なので、よほど汗まみれでない限りは、翌朝に洗濯していた。
できれば汗が乾ききる前に、一度ジャブジャブと水洗いだけして、乾かしておけばいいということに、最近気づいたところだ…!
汗は水溶性だが、一方で汗には皮脂やミネラル、アンモニアなどその他成分も含まれている。ただ、この中でも皮脂は油なので、水では洗い流せない。
衣料用の洗剤でなくてもいいので、簡単に手でハンドソープなどを泡立てて襟もとにつけておくだけで、色褪せを抑えられる可能性がある。
※汗を水で洗い流した後に、そのまま長時間ぬれた状態で置くのはおススメではない。そのあとは早めの洗濯、乾燥をしよう。
3. 「日光+汗」の合わせ技が、色褪せの危険を高める
実はこの合わせ技が一番色褪せしやすいのでは、と私個人は思っている。 かくいう私も、この合わせ技が原因で多くのポロシャツが色褪せていったのを見届けている一人だ。
「まぁ、夏だし仕方ないか。」
ずっとそう思っていた。ところが、繊維の勉強をしていて「なるほど、そういうことだったのか」と思う事実を知った。
実は、「紫外線なら大丈夫」「汗なら大丈夫」でも、この二つが重なることで色褪せてしまう生地があるのだ。
これは繊維の品質試験でも確認されている現象で、「汗と日光による変退色」は重要な試験項目の一つになっている。つまり、それだけ実際の衣類でも起こりやすい現象なのだろう。
私はこの事実を知ったとき、「そりゃポロシャツの衿が色褪せるわけだ」と妙に納得してしまった。※3
では、この”合わせ技”をどう防げばいいのだろうか。
対策-③屋外で長時間汗をかく場面では、濃い色の服を避ける
……「えー!」という声が聞こえてきそうである。
でも、お気に入りの紺色や黒色の服を長く着たいなら、一つの選択肢として覚えておいて損はない。
私たちができること 対策-④紫外線か汗、どちらか一方でも減らす
この2つが組み合わさると強力になる。では、なるべくどちらかひとつを減らす工夫をしてみることなら、できるかもしれない。
紫外線なら、つばの広い帽子や首元まで隠れる帽子などで少しでも防ぐ。
汗を完全に止めることはできないが、汗が直接服につきにくくする方法はある。
例えば、着物の「半衿」のように、汗を受け止めるためのアイテムを使う方法だ。最近では首元に着ける汗取りインナーなども販売されている。(バナーは貼ってあるが、アフェリ広告ではないので安心してほしい。…そして使用は個人の責任でお願いしたい…)

少し暑く感じるかもしれないが、お気に入りの服を長く着られることを考えれば、一度試してみる価値はあるかもしれない。
色褪せた後では、どうにもできないという事実
検索予測では、多くの人が「色褪せた後」に検索していた。
でも、本当に知りたかったのは、その前だったのではないだろうか。
染料は、一度分子レベルで変化してしまうと、元には戻らない。
だからこそ、お気に入りの一着を買ったその日から、できる対策を始めてみてほしい。
<賢く服と付き合う-服活->他にも気になる記事はこちら



独学で洋裁ASUKATAでは、「なんで?」「どうして?」を大切に、独学から出発したいろいろな考え方をブログで紹介しています。答えはひとつじゃない、いろいろな方向から考えてみましょう。ではまた。
<参考URL>
※1 日本の着物文化における長襦袢の歴史と現代日本への変遷 —「見えない衣服」が媒介してきた身体・美意識・流通・継承

※2 ワイシャツは昔「下着」扱いだったって本当?知れば一目置かれるファッション雑学と歴史的背景
※3 AOKIグループ




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