モノづくりの人がやる気になる~プレステ創業メンバーの本~

 

燃える人 フリー素材個人でモノを作って売る時代、どんなモノづくりであっても、悩みや不安はつきものだ。そんなとき、自分の背中を押してくれる存在(たとえばそれが人や本、アニメや漫画など)があったなら、大変心強い気持ちになるのではないだろうか

現在成功しているどんなすごい人でも、順風満帆な成功の道を走ってきたなんて人は、ほとんどいないはずだ。彼らにだって、様々な奮闘があったはずなのだ。

今回ご紹介する本は、モノづくりのプロが書いた本だ。その道を辿ってきたプロの言葉は、壁を乗り越えるためのヒントを与えてくれる。

 

 

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Amazonで7割以上の人が星5つ評価!の「創造する人の時代」

 

創造する人の時代 ソニー 本

@創造する人の時代 表紙

 

昨今、ハンドメイドやマルシェ、キッチンカーなど、個人でモノづくりをして提供する人がどんどん増えてきた。ここにAIも加わり、この流れはどんどん加速していくのだろう。

そんな中で発売されたのがこの本だ。著者は、あのプレイステーションの創業メンバー茶谷公之さん」。何となく勝手に渋めのおじさまを思い浮かべていたが、調べてみると、思ったより若い雰囲気のある眼鏡のおじさまだ。

先にも書いたが、Amazonの評価が驚くほど高い。私はいつも、読む本は立ち読みしてから購入しているので、先にAmazonで評価を見て本を購入するということはほとんどない。なのでいつも評価は後に知るのだが、この本が高評価だったと知り納得の気持ちがした。

「作れる人」を応援してくれる

この本は、間違いなく今の「モノづくりの人」を応援してくれる本だと私は感じる。

本の序盤から「作れる」人は少ないと、彼は言う。わかっているだけ、モノを使っているだけの人が多い、と。

一から作れる人、そのもののすべてを知っている人というのは、やはり一番強いのかもしれない。

そして彼は、この本の中でモノづくりの人を徹底的に肯定してくれる。

正直、駆け出しの人にとってはとても励まされるのだが、ただ「趣味」のモノづくりとは分けられているのがこの本の特徴だ。

「ビジネス」であるということ

趣味からビジネスにつなげたい人は多い。私もこの部類かもしれない。

「趣味じゃないからね」これは世の中の誰しもが、そんな人に投げかける言葉だ。

そしてこの本も例外ではない。

著者は、モノづくりを「趣味」ではなく「ビジネス」としてすべて話をしている。すべてのモノづくりの人に経営視点は必要であり、彼はそれを、非常にシビアに(現実的に)教えてくれるのだ。

しかし一方で、個人でのアイデアを持っておくことについてのヒントなども伝えてくれる。

チームと個人を行き来しているような、読んでいてそんな感覚のする本だ。

 

「やめない」

@いらすとやhttps://www.irasutoya.com/

モノづくりをする中で、一番、いや間違いなく誰しもが思ったことがあるだろう。

「やめようかな」

不安からくるこの言葉は、本人をとことん追い詰めるのだ。やめずに続けていれば、芽が出なければ、周りはいつだって噂をするだろう。本人は、いつだって孤独である。

そんなときに、一人でもいい、「やめないで」と声をかけてもらったら、あなたは頑張り続けるだろう。

やめなくていいときもあるよ、と著者の茶谷さんは教えてくれる。

体験談の「やめないでね」

私は専門学校の出ではない。地方の大学出身である。

服の世界は(デザイナーはそこまでではないようだが)、パタンナーは学生時代にそのレールにのってきた人が働けるようになっているようだと感じざるを得なかった。

私の経験では、専門学校を卒業していないと、業界の道はなかなか開いてこなかった。アパレル企業に勤めている今もそう感じている。

そんな中、私はこの本を読んだ。ほんの少し、元気が出て、また頑張れる気がしたのだ。

そしてほんの少し前だが、ある人たちに実際にこの言葉をかけてもらったのだ。それは、自分が思っていた以上に心の支えになっていたし、この本でもやっぱり、と思ったのだ。

それは、パターンの勉強をするために東京へ出張したときのことだ。

パターンを教えてくれる先生のうち、2人が私のような専門学校の卒業生ではなかったのだ。

「大丈夫よ、俺も専門出てないから。ね、〇〇先生?」

「え?あ、そうですよ。僕なんて全然畑違いでしたから。」と、もう一人の先生は答えた。

「おれ、○○学部」そう言いながら、もう一人の先生を指さした。

「△△学部」

先生の指先が私の方へ向いた。とっさに

「水産学部」リズムよく私は答えた。

ほらね、と先生は言い、三人で笑った。

「やめないでね。」

このとき、そう言葉を投げかけられた。これが東京から帰る最後の日で、ありがとうございましたと教室を出ていく私に送ってくれた先生の言葉だった。

何気ない言葉だったかもしれないが、孤独で不安だった私はとても嬉しかったのだ。

最後は情熱

この本を読んで、最後に念押しのように訪ねてくるのは、やはり彼がモノづくりの人だからなんだとわかる。

この本は、すべてにおいて何だか「楽しそう」に書かれている気がした。

きっと、彼はモノづくりが楽しくて仕方がないのではないだろうか。この本を執筆するにあたっても。さすがはプレステの人、だと思う。私もそんな人になれると信じて、自分を信じて、やめないでおこうと思うのだ。

2025/4/4 執筆 内野


 

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