
@イラストAC
あの人毛玉ついてないなぁ・・・あ、あの人もほとんど毛玉のないセーター着てる。すごく高級そうには見えないけど。なんで私の服はすぐ毛玉だらけになっちゃうんだろう?
もしかしたら、その人は今から紹介する技を使った、毛玉マスターなのかもしれません。
毛玉はなぜできるのか。原因一つ目は「摩擦」
人は服を着て、動きます。カバンを肩にかけたり、子供やペットを抱っこしたりもしますね。このとき、人の動きや物の刺激が摩擦となり、服の糸は絡み合います。
そう。これが毛玉の原因一つ目「摩擦」。
摩擦によって、糸は絡み合い団子状態になります。これが”毛玉”の正体です。
ですが、これが根本原因かというと、そういうわけではありません。
え、どういうこと?じゃぁ摩擦は原因ではないじゃない?と思うかもしれません。
そう、摩擦が原因であれば、すべての服は摩擦が起きる環境にありますから、どんなアイテムも毛玉だらけになるはずです。ましてや、毛玉が多くなってきたのはここ数十年といったところではないでしょうか?
毛玉ができた後に違いがある
それでは、あなたの持っている毛玉のできやすいその服、洗濯表示を見てください。そこには素材の組成が書いてあるはずです。
毛(ウール)100%、や綿(コットン)100%、の言葉はありますか?ない…?そうです、ないと思われます。
その代わりに目に入る言葉は何でしょうか?
アクリル、ナイロン、レーヨン、ポリエステル・・・など書いていませんか?
化学繊維が「新犯人」?!
だんだんと気づいてきたかもしれません。
近年は繊維の改良化が進み、非常に優秀な糸がたくさん開発されてきています。ただ、化学繊維が混ざった「混紡糸」でできた服は、やっぱりその化学繊維の特徴を持っています。
化学繊維が混ざっている糸は、強力に服にしがみつきます。
自然であれば剥がれ落ちるところですが、服に絡みついたままになります。
毛玉の原因は、摩擦で糸が絡み合うためではありますが、実は毛玉ができた後に「自然には落ちていかない」ことが毛玉が服に居続ける本当の原因です。
毛玉ができた後は、自然と剥がれ落ちていくのか、絡みついたままになってしまうのか、どちらかの状態になるということ。
この状態は繊維の違い、天然繊維または化学繊維の違いと言い換えることができます。
天然繊維の毛玉は「ブラッシング」でOK
天然繊維の服であれば、毛玉は自然と剝がれ落ちますから、そこまで毛玉の心配をする必要はありません。ただ、着用後の手間をかけていただくことでさらに長く愛用できますので、ぜひ試してみてください。
冬の天然繊維の定番といえば、ウールです。ウールコートの場合には、着用後にぜひブラッシングを習慣にしていただければと思います。毛並みが整うことで毛玉の絡みが解消され、毛玉ができにくくなります。

簡単なブラッシング方法は、細かくリズミカルに上から下へ、今度は下から上へ、汚れを掻き出すようなイメージでやってみてね。最後に上から下へスーと汚れを流し落とすようにして完了だよ。

私はKENTというメーカーのブラシを使用しています。6年前に購入しましたが、毛が抜けることもなく、いまでも愛用しています。
化学繊維の服は、購入するときにチェックを
注意するのは化学繊維の服だということが、うすうすお気づきになってきましたでしょうか?では化学繊維は全部だめなのかと思いそうですが、天然繊維だけの服が市場には大変少ないのが現状です。天然繊維だけいいというのは現実的ではありません。
化学繊維は毛玉ができても自然に剥がれ落ちてはいかないことがわかりました。長く愛用するためには、いくつかのポイントを押さえていく必要があります。
化学繊維の場合は、毛玉自体を少なくする必要があります。つまり”摩擦”を少なくするには、どうしたらいいのかを考えていきましょう。
摩擦を少なくするためには、ざっくり挙げると、以下の2つのポイントに集約されます。
①(購入前)摩擦がなるべく小さくなる服を見分ける
②(購入後)摩擦がおきやすい行動を避ける
①(購入前)摩擦がなるべく小さくなる服を見分ける
冬にお店で出てくるざっくりニット。
とても可愛いのですが、糸が動く余地が大きいので摩擦が大きい服と言えます。そのため、化学繊維でできたざっくりニット服は、毛玉が大量にできます。一方で、化学繊維のニット服でも、目が詰まったものは、思ったほど毛玉ができにくい、あるいは出来ても小さく目立ちにくかったりします。
つまり、摩擦の大小は、「編み目」の「詰まり度合い」が重要な見分け方になります。
服をパッと見て編み目が細かいものであれば、糸が動く余地が小さいので、化学繊維でもざっくりのものと比べて毛玉ができにくく、お勧めです。
編み目の判断がよくわからないという方は、服を手に取り、少しだけ生地を横に引っ張ってみましょう。あまり力を入れると生地自体が伸びて服が変形してしまうので、少しだけ、でお願いします。
この時ぐーんとよく伸びるようであれば、糸が動きやすいので毛玉もできやすいと判断できます。反対に、ほとんど伸びないようであれば、糸は動きにくいため毛玉は出来難いと判断できます。
またどうしても判断に迷うという場合は「シャリ感」もみてみましょう。シャリ感に対するのは「ふわ感」ですが、こちらはイメージしやすいですね。ふわ感とシャリ感は相反するものですので、ふわ感を出そうとすれば、どうしても毛玉が出来やすくなりますし、毛玉を減らそうと思えばシャリ感が強くなります。
②(購入後)摩擦がおきやすい行動を避ける

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「摩擦」が起きやすい行動を気を付けるだけで、かなり毛玉は減ります。
購入後にできるこのポイントは今からでもすぐにできますので、ぜひ参考にしてみてください。この2つの行動は、服への思いやりです。
摩擦がおきやすい2つの行動
・リュックや肩ひもタイプのカバンで出かける
・そのままで寝てしまう
飲み会で帰ってきて、そのまま飲みつぶれて寝てしまったなんてした日には、次の日は覚悟しておきましょう。
毛玉だらけになってしまった服は、強力に服にしがみついて離れませんから。毛玉取り器や、生地を傷めないようにはさみで切るか、慎重に剃刀でとるか…。全身くまなく、覚悟して作業してくださいね。
服をしっかり見るということ
デザインも大事ですが、「服自体をしっかり見る」ことが一番大事なことかもしれません。
ですが、その後のメンテナンスやポイントを知っていれば、いろいろ考えて、あえてその服を買ってみる、ということができます。毛玉のことをわかって購入するのと、わからず購入するのは全く意味が違います。
毛玉だけに関わらず、購入するときや使うとき、着た後、毎回やらなくってもいいです。
ときどき服を見てあげる。少し丁寧な気持ちが、その後の生活を変えてくれます。
毛玉がすごくできる服でも、本当に好きな服であれば付き合いましょう!私も2年間、毛玉だらけのお気に入りのコートを昔着ていました。一度着れば毛玉だらけ。着るたびに、小一時間かけて毛玉をとっていました。「あなたは全く、手のかかるコートだ」と言いながら、しょうがないんだからもう、と毛玉をとりながら2年付き合いました。
手間のかかる服が毛嫌いされる昨今ですが、わざと手間をかけてあげる服があってもいい気がします。
ブラッシングしていると、知らず知らず愛着がわいてきます。このセーターは大事に着たいから、今日は肩紐バッグは使わないようにしよう、そんな思いやりで一日過ごすって、なんだか素敵ではありませんか。
2026/2/24 追記・編集 あすか
服活では、服を作る立場から、みなさんの服活に寄り添う情報をお届けいたします。情報を一緒に共有して、素敵な服活ライフを送りましょう!



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